荒川の水切り遊び - トピック返信
31. 遊びと自然体験
【返信元】 30. 学校で遊ぶだけの日
2014年08月25日 06:09
 数年前「ワクワク探検隊・川の生物を探そう」という地元の教育委員会主催の企画にガキ大将役で参加したことがあります。これは魚や水性昆虫などを捕まえ、遊びながら川の生物や環境などを体験的に学ぼうとするものです。参加者約50名で行われました。
 朝8時、網を持った子どもたちが、親と一緒に指定の河原に集まります。次々にやってくる子どもたちの中に虫取り網を持ってくる子が多いのに驚きました。虫取り網は直径約25㎝、長さ30㎝、細かい網目で水の抵抗が大きく、水中生物を捕獲するには適しません。親も子も魚取りをしたことがないことがわかります。また、立派な網を持ってくる親子もいます。そんな子の親は長靴を履き、子どもの着替えまで持参しています。
 魚取りが始まると、その差は歴然です。立派な網を持ってきた子は、いきなり深みに入り、次々に獲物を手にします。虫取り網の子は、どうしたら穫れるのかわからないのでじっと観察しています。それでも。本能的に子ども心をワクワクさせる状況です。やがて、みようみまねの頼りない手つきで、どんな所に魚がいるか良くわからないまま虫取り網を水に入れます。網を囲む細い針金は水の抵抗で曲がり、なさけない形になります。当然、何も穫れません。小学校の高学年ですから、昔の子どもなら魚取りの知識は常識でした。魚が穫れなくても別に問題はないでしょうが、私には興味深い光景です。
 昔と違い、今の子どもはガキ大将から学ぶ機会がなく、親の影響がそのまま現れているように思いました。かけがえのない宝石のような子ども時代が、大人になるための準備期間という面が強くなり、短期間で大人にされてしまうのかも知れません。
 さらに驚いたことがあります。友達同士で協力して魚を穫ろうとするアイデアが見られないことです。何人かで一緒に網の方に魚を追い、別の子どもが網を上げるという作戦です。場所にもよりますが、それぞれが勝手に魚を追うより合理的です。この企画は3年間行われましたが、それに気付く子どもたちは一組も現れませんでした。
 また、近所の用水に秋になると水がなくなり、たくさん魚が集まる場所があります。そこで10人ほどの子どもが魚を追っています。私はその様子を観察していました。子どもたちは、ただ網をやみくもに水に入れ、泥だらけになって魚を追うだけです。最も深いところに数個の網を置き、ゴミなどで魚の隠れ場所を作り、そこに追い込むとか、堰を作り、バケツなどで水を下流に流すとか、場所によって様々な方法があるのですが、気がつかないようで、何の工夫もありません。今の子どもたちは、自然より整備された公園などで遊ぶことが多く、手作りのおもちゃよりも合成樹脂製で派手な色のものを好みます。私たちの世代は、ほとんど自然の中で遊びながら育ちました。その中で、どうしたらもっと楽しく遊べるかをいつも考えていたように思います。私たちは遊びを通して自然を知り、想像力を働かせ、工夫しながら自然を学んでいたのです。
 子どもたちは遊びを通して生きる力を身につけます。生きる力とは本来、自然を知ることでした。人類は不便さと貧困に対しては知恵を蓄積してきました。しかし、文明化と豊かさに対してはまだ経験が足ません。そのため、文明化に対応する人の在り方については手探りではないでしょうか?。特に少年教育の対応は充分とは言えない状態です。遊びも商業主義に取り込まれ、子どもたちの自然な成長をゆがめる傾向も見られます。
 時代が急変しています。文明社会の青少年教育は、どんな理論と方法が必要なのか、その対応はまだ始まったばかりです。そんな中で、昔からの遊びが見直されています。これは、ほとんど道具を使わず、群れ遊びが中心で、自然の中で行われることが多いのが特徴です。遊びは、年齢の違う子どもが一緒に遊び、工夫され、独自の子ども文化を形成していました。小さな子は先輩を見習い、大きな子は小さな子を気づかい、いつしか一人前の子どもに成長してきたように思います。私達は、その中で仲間意識を育て、自らを守る知恵や優しさを感性として身に付けてきました。子どもの遊びをたわいのないものして見過ごすことはできません。本気で遊ぶからこそ、そこにドラマが生まれ、子どもたちの成長があるのではないでしょうか。教育をお金で買う時代ですが、五感と自然を頼りに、原始的とも思われる方法が見直されているのです。
 教え過ぎは問題です。人は間違いも教えます。大切な事は、子ども達が見覚えたり見習うことのできる機会と場をつくってやることだと思います。一つ一つの体験が、知識や知恵を生み出す種子になります。
 むりやり大人にせず、子ども時代を充分楽しく過ごし、無理なく大人なれるようにしてあげたいものです。
 間接的な情報や理屈で知識や技能を身につけさせることも必要ですが、現場で仲間と行動し、考え、気付き、感じることを欠いては、社会人としての十分な成長が望めません。少年がより健康でよりよい社会人に成長するためには、何人かで共に遊ぶことによって様々な心の変化を経験することが大切ではないでしょうか。共に遊ぶ体験を通し、子どもだちは友情を知り、自信を持ち、共感し合うことの喜びを知るのです。続く…

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