|
最近どうも、イライラしたり、ツンケンしたり…たぶん自分の心が荒(すさ)んでいるのだろうか、人の短所ばかりが目立って仕方がない。そんな時決まって、タバコの吸殻で、灰皿に山が出来ている。 人の欠点ばかりを考えていると、自分の頭の中で相手をどんどん悪人にしてしまう。 その人に対する悪感情は自分の言動に自ずと表れ、相手にも伝わるに違いない。 結果、相手の応対をさらに悪いものにしてしまう。 こんな因果はつまり、「相手のせい」だけでなく「自分のせい」でもあること、冷静になると解るものである。
松下村塾の吉田寅次郎(松陰)があれだけの人材を世に送り出すことができたのは、彼が人の長所を見つける達人だったからだ…という話を聞いたことがある。 自分が長州藩随一の秀才であっても、自分のことは一切自慢せず、人の長所ばかりをいっていたらしい。
短所は自然に目につくけど、長所は意識しないと見つからない。 だから、長所を探す努力を怠ってはならない。 どんな人にも必ずいい所があるのだと思う。 「この人にはこういういい所もある」と解れば、相手から受ける感じ方も変わるはず。 そうすれば、自分の相手に対する態度も自ずと変わり、それが相手に伝わり、相手が良い方に変わることもある。そのほうが結局、自分のためにも良いに決まっている。
人の長所を見つけるには、自分を捨てなければ目が曇る。 自分を捨てるということは、つまり、自分を受け入れることのパラドックス(paradox)である。 自分を受け入れられないなら、他人の価値も見えっこない。 現在の自分、つまり等身大の自分を受け入れた人間だけが 他人を受け入れることができる。 「俺のほうがまだマシだ」「こんなことも出来ないのか」…そんな『上から目線』がある限り、素直に相手を理解することは出来ない。
司馬遼太郎氏は、そのためには「心が優しくないとだめだ」と言っている。 大変に頭のいい人でも、人の悪口ばかりを言っている人がいる。 確かに頭がよければ人の欠点も目につくだろうが、しかし、そこで心を優しくして、人の長所を見ることができるようになれば、自分自身が、さらに大きく成長できるという。 せっかく立派な学歴があるのに、無縁な人になってしまう。 いくら頭が良くても、「残念な人」と言われてしまう。
自分が相手の長所に目を向ければ、長所をさらに伸ばすことができる。 他人の長所を探すことで自分は彼らを助け、同時に自分も幸せになれる。 これが本当に頭のいい人かもしれない。 「短所は見つかるもの、長所は見つけるもの」…誰もが、すぐ解る短所は言わずして、長所を一つでも多く探し出し、精一杯褒めてあげる、そんな行動を常とすれば、きっと、タバコの本数も減るに違いない。 |

