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2012年06月23日(土) 
誰にも「この人」という恩人や恩師がいる。こたつにも心の支えや行動の規範となる人がいるが、中には惜しくも早世されて、もう今は直接指導を仰ぐことのできない人もある。文化シヤッター創業家に育ち、(社)姫路青年会議所(以下、姫路JC)第31代理事長として、ふるさと姫路を「魅力ある街」にするために尽力した、故東海健生氏がその人である。今日は東海健生さんの13回忌法要の日。

パーソナルコンピュータが、家庭だけでなく企業においても、まだまだ縁遠い機械と考えられていた1980年代半ば、東海さんは「21世紀になればコンピュータは、企業だけでなく家庭においても利便性の高い道具となって社会に大きな変革をもたらす」と予想していた。情報化が地域の活性化に寄与する効果とその重要性を説く東海さんは、姫路JCに家永周一(故人)をリーダーとする高度情報化委員会を設置し、「姫路タウンネット研究会」(後に「はりまタウンネット研究会」に改組、以下、タウンネット)を姫路市、姫路商工会議所、NTT姫路支店(当時電電公社)などが加わって、パソコン通信システムの運営母体を設立した。JCの新米会員だった私と東海さんとの本格的なご縁は、この委員会の統括幹事役に抜擢されてからだった。

「パソコン通信が地域の将来を拓く」と夢みる東海理事長や家永委員長の考えは、当時の姫路JCの中で会員の理解を得るのは大変難しかった。しかし、東海さん自らの絶大な指導力と卓越した知見、なにより誰にも想像もできないくらい深くて広い人的ネットワークによって、大きな組織をブルドーザーのように牽引し、着実にステップを踏みながら目標までのマイルストーンをしっかり印していった。

87年7月に開局したタウンネットは、志を共にする地域住民の自発的参画を得て、設立から1年の間に800名の会員を集めた。当時は通信機能を付加したPCは高額で、セットを揃えるには40~50万円もかかるという時代だった。その頃、国内最大の公共ネットは、大分県が85年4月に開局したCOARAであったが、会員数1000名に達するまでに3年を要していた。ここからも、立ち上げ時のタウンネットによる地域の盛り上がりがいかに大きかったかがわかる。その後、長野市、札幌市、沼津市、福山市、北九州市、西宮市など、情報通信に取り組む多くの自治体や団体の見学を受け入れ、先導的な試みとして各地に影響を与えた。

姫路駅前にあった「ダイエー姫路店」3階の20坪近いフロアに、オープンスペース「プラザ・タウンネット」を設置したのも東海さんのアイデアであり、私財の提供によるものだった。今風に言えば、ビジネス型インターネットカフェそのものと言える進歩的な仕掛けであった。これを20年以上も前に形にしていたことからも判るように、東海さんがどれだけ先まで時代を視ることができて、それを私たちに伝え体験させ目覚めさせようとしていたかを振り返ることができる。

その後東海さんは、何かと用事を作っては私の仕事場を訪ねてくれて、「まちづくりのいろは」を語ってくれた。阪神淡路大震災でのボランティア活動を契機に、播磨にインターネットプロバイダーを設置するアイデアを誰よりも先に深く理解し、インフォミームの設立・運営にまで先頭で指導をしてくれたのも東海さんだった。ここまで書けば、誰が地域SNS「ひょこむ」の設計図を描き、つながりを可視化することをまちづくりの原動力とするモデルを実践に持ち込んで成功に導いたのか、最大の功労者が誰であったのかがお判りかと思う。

インターネットが社会に出てきた頃から、東海さんの身体はガンに蝕まれていく。闘病生活の合間、地域情報化の進展やネットデイ活動の成果を一番喜んでくれながら、「ぼくは21世紀を見ることはないから..」と、病床で語っていた。普段から「有言実行」を体現しているかのような人生そのまま、2000年7月4日に偉大な恩人は52歳の若さで逝った。

2008年年末の慌ただしい午後、ご自宅にうかがい日経地域情報化大賞2008グランプリ(大賞)の表彰状と受賞盾を仏前に並べさせて頂き喜びをお伝えした。受賞した「地域情報プラットホーム連携」は、まさに若き日の東海さんが夢見ていたビジョン。不肖の弟子がやっとなんとかその遺志を継ぎ、世の中に高く評価して頂けるまでに育てることができたことは、まさに感慨無量だった。


「(変な話しなんですが)親族に霊感の強い家系の方があって、この家にくる度にあまり背の高くない男の人が廊下でそっと心配そうに見つめている(ような気がする)」と奥さんの言葉。「きっとまだまだやり遂げていないことが一杯あって成仏できないでいるのでしょう」と笑って返した言葉に、「まだまだ道半ば。これからが本当の勝負であり、その先に東海さんの夢見て実現しようとした地域社会が見えてくるんだ」と気持ちも新たにこれからの努力を誓った。早く成仏してほしい(笑)けど、いつまでも私たちを見つめ、守り、導いて欲しい。「信頼と規範とネットワーク」が魅力ある姫路を実現するその日まで。

合掌!

閲覧数2,373 カテゴリ日記 投稿日時2012/06/23 07:23
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