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2015年04月05日(日) 
たまには「税理士」らしいコラムを書いてみよう。国税徴収法の改正である。
日本国憲法第30条には、納税義務が明記されている。
憲法に規定する国民の義務は、わずか3つ、その一つが納税の義務である。
国税の滞納があった場合は、原則的に、税務署から滞納者に対して督促状を発せられ、一定期間内に納付をしなければ、財産が差押えられて最終的には公売され、滞納国税に充てられる。
これを「換価」と言い滞納処分として粛々と実行される。
その最大の論拠は、納税が憲法に規定される国民の義務であるからと言われている。
しかし実態は…、平成25年度租税滞納状況によれば、滞納国税の第一位は所得税(約47%)であり、第二位は消費税(約31%)とされている。消費税率が8%となり、更に10%が予定されている今後、消費税の滞納率が益々あがっていくことが予測される。

滞納者の背景には色々な事情があるはず。不幸にも災害にあっために財産を失って払えない人もいる。決して悪意があった訳ではない。
そのような事情を一切勘案せずに、一律に滞納処分を執るのは血も涙もないことになってしまうことから、従来も一定の条件のもと、本来の納期限を先に延ばして貰える等の緩和措置がいくつか認められていた。
これを「換価の猶予」と言い、差押え、直ちに公売することをしばらく猶予する、つまり払うまで待つという措置を認めるということである。
その条件が、平成26年度税制改正において大きく緩和された。
従来の換価の猶予は、税務署長の職権によるもののみで、(1)財産の換価を直ちにすることにより、事業継続・生活維持を困難にするおそれがあるとき、(2)財産の換価を猶予することが、直ちにその換価をすることに比べて、徴収上有利であるときで、納税に誠実な意思を有するときには、原則1年の範囲内(延長可。最大2年以内)で差押え財産の換価が猶予されるというものであった。
それが今回の改正で、税務署長の職権によるものに加え、納税者の申請に基づく換価の猶予(国税徴収法第151条の2)が創設された。
新設された納税者の申請による換価の猶予は、猶予期間1年以内(延長可。最大2年以内)。
申請期限が滞納国税の納期限から6ヵ月以内。国税を一時に納付することによりその事業継続・生活維持が困難となるおそれがあり、納税に誠実な意思を有するとき(他に滞納がある場合は除く)、を要件に、換価が猶予される。担保が不要な要件も、大きく緩和された。
適用は、2015年4月1日以後に納期限が到来する国税からとなっている。その他詳細な要件が規定されているので、興味ある方は是非、国税庁のホームページで確認して頂きたい。

税金は「期限内完納」がベストで使命であることは言うまでもない。
でも、「もし」という時の補完策として機能する意味で今回の改正は、従来の猶予制度について使い易くするとともに、的確な納付の履行を確保するため、所要の見直しを図れるかもしれない。
納税者は自ら換価の猶予を申請する権利が認められたため、制度の適用を検討する納税者によって行動しやすくなり、制度の活用が促進され、少しでも国税の滞納状況が改善されるよう、期待したいところである。

閲覧数2,140 カテゴリコラム コメント31 投稿日時2015/04/05 02:19
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